SNS型投資・ロマンス詐欺について
博多警察署長の望月でございます。
先般、私から「台風への備え」について数点お願いをさせていただきましたが、台風や地震等による災害は「いつ、どこで」発生するか分かりませんので、命を守るための行動を「いつでも、どこでも、誰もが」取れるよう、日頃から災害について家族や友人の間で話し合っていただくほか、地域の方々とも連携・協力しながら、災害に対する警戒を継続していただきたいと思います。
さて、今回は、福岡県内のみならず、全国的にも被害に歯止めがかからない「SNS型投資詐欺・ロマンス詐欺」について、お話ししたいと思います。
この種詐欺に対しましては、署員一丸となって、犯人検挙や被害防止活動に取り組んでいるところですが、本年7月末現在における県内の被害状況は、被害件数が約400件、被害額は約43億円となっており、当署管内における被害状況は、被害件数が約30件、被害額は約5億円に迫るなど極めて憂慮すべき事態となっています。
そこで、私から皆様には、詐欺被害に遭わないために、
『便利は危険』ということを認識していただくとともに、
一度も会ったこともない人にお金を渡さない!!
ようにしていただきたいと思います。
近年、急速なデジタル機器の普及、AI技術の進歩等により、スマートフォンやSNS等を悪用した人の姿が見えない犯罪が急増しております。特に、あたかも有名人が投資を呼びかけているような「SNS型投資詐欺」、外国人を装って、結婚をにおわせて現金を騙し取る「ロマンス詐欺」については、日本や海外にも犯罪拠点が存在するなど、世界中の犯罪者が日本人のお金を狙っています。
スマートフォンを持っていれば、銀行やコンビニ等のATMに行くことなく、預金を引き出すことができ、テレビや新聞を見ずとも全国のニュースを瞬時に知り得るなど、我々にとって便利すぎる環境が、逆に、新たな犯罪の手口を生み出し、その手口がますます巧妙化する要因となっております。
このような状況を踏まえ、
「今の便利な環境は、大変危険である。」と改めて認識していただきたいのです。
現在,県警では、詐欺被害防止に向け、「電話でお金の話が出たら詐欺」という注意喚起を広く呼び掛けているほか、コンビニエンスストアに声掛けシートの活用をお願いしているところです。
一方で、SNSを介した詐欺被害は、犯人と被害者の方との間だけで金銭のやりとりが行われることが多く、家族や友人をはじめ、金融機関や警察等第三者の介在が困難となっている状況が窺えます。ですので、SNSの中で、
「簡単に儲かる。」、
「あなただけに教える。」などという人を誘惑するような言葉(ワード)が出た際は、一呼吸おいて、家族や友人、或いは、警察に相談していただき、自分の身の周りに潜む危険を察知・回避していただくようお願いいたします。
また、「一度も会ったことがない人を簡単に信用しない。お金を渡さない。」ということも必ず守っていただきたいと思います。