ウェブサイト改ざんとは、悪意のある者によって、ウェブサイトのコンテンツや設定が管理者の意図しない状態に変更されたり、ウェブサイトに管理者の意図しないファイルを蔵置されることを言います。
ウェブサイトを改ざんされてしまうと、正しい情報が発信できなくなったり、無関係の画像やメッセージが掲載されたりするほか、改ざんに合わせて、ウェブサイト等に保存していた個人情報が窃取されたり、ウェブサイトを閲覧した者がウイルス感染してしまうおそれがあります。
「ウェブサイトが改ざんされている」と顧客から連絡があった。確認すると見覚えのない画像が掲載されており、管理画面にアクセスできなくなっていた。
自社のECサイトが何者かに攻撃を受け、氏名、生年月日、住所、電話番号等の個人情報が外部に流出してしまった形跡が発見された。
「ホームページを閲覧していたらウイルス検知した」と顧客から連絡があった。ホームページのあるウェブサーバを確認したところ、マルウェアが置かれていた。
ウェブサイト改ざんの被害に遭った場合は、直ちにサービスを停止し、管理者画面やデータベースへのアクセスログの保存・印字等を行い、証拠を保全してください。
被害の再発防止のため、ウェブサイト改ざんに関する原因等の調査をしてください。他のマルウェアやハッキングツール等の影響を受けている可能性があるため、改ざんが確認されていないサーバやネットワーク機器、パソコンも含めて調査してください。
なお、調査に当たっては、改ざんされたウェブサーバをはじめとした各種機器のログが必要となりますので、ログは、バックアップデータと同様に適切に保管してください。
改ざんに関する原因等の調査を基に、利用しているOSやソフトウェア、ネットワーク機器等の更新ファイルを適用して、ぜい弱性を塞いでください。ウェブアプリケーションやCMS(コンテンツ・マネージメント・システム)のぜい弱性が悪用され、ネットワークに侵入された事例も多数確認されています。
改ざんに関する原因等の調査を基に、攻撃者からアクセスされた可能性があるパソコン、サーバ、ネットワーク機器等のパスワードを速やかに変更してください。ぜい弱性対策を実施したにもかかわらず、パスワードの変更を怠ったために、ネットワークに侵入された事例も多数確認されています。
ウェブサイト改ざんの被害に遭った場合は、アクセスログ等の資料を持参して、最寄りの警察署又はサイバー犯罪相談窓口に通報・相談してください。
警察署の一覧
サイバー犯罪相談窓口
なお、事前に電話で担当者と日時や持参する資料の調整をしていただくと対応がスムーズに進みます。
ウェブサイトが改ざんされていないか、次に掲げる項目を確認してください。
【改ざんされたウェブサイトの簡易発見方法】
ウェブサイトの改ざんの被害に遭わないためには、
などの対策を講じることが重要です。詳細は、「基本的なセキュリティ対策」を確認してください。
また、次に掲げる対策を講じてください。
ネットワークの盗聴を防ぐため、重要な情報を取り扱うウェブページでは、利用者のパソコンとの通信経路を暗号化してください。また、利用者に通知する重要情報は、メールで送らず、暗号化されたhttps://のページに表示するとともに、ウェブサイト運営者がメールで受け取る重要情報を暗号化してください。
採用する暗号技術は、CRYPTREC暗号リスト(https://www.cryptrec.go.jp/list.html)に掲載されているものを利用することを推奨します。
利用者のパスワードを平文で保存していたために、サーバ等が不正アクセスされた際に、被害が拡大した事例が確認されています。パスワードをサーバ内で保管する際は、平文ではなくソフト付きハッシュ値の形で保管してください。また、入力フィールドでは、パスワードは伏せ字で表示されるように設定してください。
詳細な対策は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の「安全なウェブサイトの作り方」(https://www.ipa.go.jp/security/vuln/websecurity/about.html)をご参照ください。